日本は平成の30年間、停滞してきた。一人当たりGDPは低迷し、一時は並びかけていた欧米諸国から大きく引き離され、近隣の台湾や韓国にも追い抜かれた。これは、世界で進んだ構造改革に、日本政府や産業が対応しきれなかった結果である。歴代内閣が規制改革、地方分権などに取り組もうとしてきたが、残念ながら大きな成果は出せず、岩盤規制や中央統制は今も経済社会の飛躍の足かせとなっている。
さらに、日本は新たな課題にも直面している。デジタル技術の革新による社会の変革、脱炭素をはじめ地球規模の課題への対処、米中二極化に伴う世界秩序の転換。いずれも、対処を誤れば日本のさらなる長期衰退につながりかねない。
なすべきことは、平成の積み残し課題を早急に解決し、さらに新たな課題に対応できる国家モデルへの再設計を進めることである。新たな課題の出現を奇貨として改革を否定し、古き日本型モデルに戻すのではなく、さらにもう一段先へとモデルチェンジしなければならない。
産・学・メディアなどの枠を超えて、日本の未来のために今取り組むべき政策課題を提示し、提言を行うため、民間臨調として「モデルチェンジ日本」を立ち上げる。